2013年04月09日

息子の入学式

昨日、長男の大学の入学式がありました。

新入生のうち、6割が道外生でした。
札幌市外が1割。
新入生の7割が、寮や一人暮らしで大学生活を始めるそうです。
自宅通学生はわずか3割。
息子は自宅通学の、少数派です。

実際息子が友だちになった子たちも皆関西方面からで、殆ど一人暮らし。
子どもはもちろん、親のほうにも諸々覚悟がいることですね。
皆逞しい。

息子は理系なので、6年間通うつもりのようですが、(ヒャーッ)
大学はすべからく、『自分次第』であるということが、本人もわかってきたようです。

式の中で、副学長さんが寺山修司氏の言葉を引用されていました。

振り向くな
振り向くな
後ろには夢がない


伝説の名馬、ハイセイコーに向けた詩の一節だそうです。


『 さらば ハイセイコー 』

ふりむくと
一人の少年工が立っている
彼はハイセイコーが勝つたび
うれしくて
カレーライスを三杯も食べた

ふりむくと
一人の失業者が立っている
彼はハイセイコーの馬券の配当で
病気の妻に
手鏡を買ってやった

ふりむくと
一人の足の悪い車椅子の少女がいる
彼女はテレビのハイセイコーを見て
走ることの美しさを知った

ふりむくと
一人の酒場の女が立っている
彼女は五月二十七日のダービーの夜に
男に捨てられた

ふりむくと
一人の親不孝な運転手が立っている
彼はハイセイコーの配当で
おふくろをハワイへ
連れていってやると言いながら
とうとう約束を果たすことができなかった

ふりむくと
一人の人妻が立っている
彼女は夫にかくれて
ハイセイコーの馬券を買ったことが
立った一度の不貞なのだった

ふりむくと
一人のピアニストが立っている
彼はハイセイコーの生まれた三月六日に
自動車事故にあって
目がみえなくなった

ふりむくと
一人の出前持ちが立っている
彼は生まれて始めてもらった月給で
ハイセイコーの写真を撮るために
カメラを買った

ふりむくと
大都会の師走の風の中に
まだ一度も新聞に名前の出たことのない
百万人のファンが立っている
人生の大レースに
自分の出番を待っている彼らの
一番うしろから
せめて手を振って
別れのあいさつを送ってやろう
ハイセイコーよ
おまえのいなくなった広い師走の競馬場に
希望だけが取り残されて
風に吹かれているのだ

ふりむくと
一人の馬手が立っている
彼は馬小屋のワラを片付けながら
昔 世話したハイセイコーのことを
思い出している

ふりむくと
一人の非行少年が立っている
彼は少年院の檻の中で
ハイセイコーの強かった日のことを
みんなに話してやっている

ふりむくと
一人の四回戦ボーイが立っている
彼は一番強い馬は
ハイセイコーだと信じ
サンドバックにその写真を貼って
たたきつづけた

ふりむくと
一人のミス・トルコが立っている
彼女はハイセイコーの馬券の配当金で
新しいハンドバックを買って
ハイセイコーとネームを入れた

ふりむくと
一人の老人が立っている
彼はハイセイコーの馬券を買ってはずれ
やけ酒を飲んで
終電車の中で眠ってしまった

ふりむくと
一人の受験生が立っている
彼はハイセイコーから
挫折のない人生はないと
教えられた

ふりむくと
一人の騎手が立っている
かつてハイセイコーとともにレースに出走し
敗れて暗い日曜日の夜を
家族と口もきかずに過ごした

ふりむくと
一人の新聞売り子が立っている
彼の机のひき出しには
ハイセイコーのはずれ馬券が
今も入っている

もう誰も振り向く者はないだろう
うしろには暗い馬小屋があるだけで
そこにハイセイコーは
もういないのだから

ふりむくな
ふりむくな
後ろには夢がない


ハイセイコーがいなくなっても
全てのレースが終わるわけじゃない
人生という名の競馬場には
次のレースをまちかまえている百万頭の
名もないハイセイコーの群れが
朝焼けの中で
追い切りをしている地響きが聞こえてくる

思い切ることにしよう
ハイセイコーは
ただ数枚の馬券にすぎなかった
ハイセイコーは
ただひとレースの思い出にすぎなかった
ハイセイコーは
ただ三年間の連続ドラマにすぎなかった
ハイセイコーはむなしかったある日々の
代償にすぎなかったのだと

だが忘れようとしても
眼を閉じると
あの日のレースが見えてくる
耳をふさぐと
あの日の喝采の音が
聞こえてくるのだ



息子の進学は、一度はゴールしたかのような錯覚を覚えましたが、
これからが本当の意味でのスタートです。

自分の可能性を信じて、
チャレンジして、
何かを見つけて、
何かを掴んで欲しい、
そう願っています。

入学おめでとう。





posted by マメコ at 14:56| Comment(0) | 子供 | 更新情報をチェックする
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